水産研究・教育機構のまとめでは今年度、県内の川や海で捕獲されたサケの数はことし1月末時点で合わせて5万2245匹と、昨年度の同じ時期より8863匹、率にして15%減った。内訳をみると川での捕獲数は3万8695匹、海での漁獲数は1万3550匹となっている。県によると、過去30年で最も少なくなる見通しで、近年の記録的な海面水温の上昇などによって、10月に遡上(そじょう)するサケの数が減少したことが影響したとみられるが、はっきりとした原因は分かっていないという。一方、人工ふ化のための採卵数は11月以降、サケの遡上が回復したことなどから、昨年度とほぼ同じ3000万粒余りを確保できたという。戻ってくるサケの数を増やそうと人工ふ化に取り組む生産組合では、海面水温が上がっているため、稚魚を放流する時期を前倒しするなどの対応をとっているという。県水産振興課は「近年の海面水温の上昇で対応に苦慮している。貴重なサケの資源を守っていけるように取り組んでいきたい」としている。