アルプスの名峰に囲まれたスイス・サンモリッツ。世界のスキーヤーが集うウィンタースポーツの聖地にミラノ・コルティナ五輪のメダル候補・須貝龍はいた。オリンピック116種目の中で須貝が挑むのはフリースタイル・スキークロス。2010年のバンクーバー五輪から正式種目に採用され障害物のあるコースを4人で滑り上位2人が勝ち上がるトーナメント方式で行われる。ポジション争いによる接触・転倒は当たり前でその激しさからついた異名は「雪上の格闘技」である。目まぐるしく順位が入れ替わり、レース展開は予測不能である。時にはフィニッシュ直前の転倒で3位だった選手が大逆転でトップになることもあった。体の一部がラインを超えればフィニッシュとなる。そんなサバイバルレースに身を投じている須貝はワールドカップで表彰台5回・昨年の世界選手権では日本人初の銅メダルを獲得。1週間後、メダル候補として臨むオリンピックには苦い記憶があった。
