スーパーでのコメの平均価格は17週連続の値上がり。高値を止めるために備蓄米が放出されたが、3月17日~04月13日に放出された備蓄米21万トンのうち集荷業者には64.9%、卸売業者には9.4%、小売業者には1.4%しか流通しなかった。今月1日現在、JA全農のデータでは集荷業者には約9割が行き渡ったが、卸売業者には5万トン。折笠さんは、卸売業者も小売から発注がないと引き取りに行かない流通構造になっている、制度ができてから初めて食用に備蓄米を放出したため調整に時間がかかっていると話した。JA全農が落札した約20万トンの備蓄米はすべて販売先と契約しているが、出荷済みは約5万トンで、約7割が倉庫で出荷待ちの状態となっている。販売先からの出荷依頼数量は4月~7月出荷分で合計約13万トン。卸売業者からは小売にいるかいらないか聞いたうえで調達している、予定にない輸送を手配するのに労力的な問題があるといった声が聞かれた。3回目の備蓄米の放出で、卸売業者間で売買ができるようシステムを変えた。備蓄米の流通には最短1~2か月必要で、5月中旬~下旬には出回る量が増えるとみられる。5月下旬~6月中旬頃までには5キロ3000円台に下がる可能性もある。折笠さんは、補助金をつけるなどして全力でコメを作り余った分を輸出や加工に回し、足りないときは国内に回せば安定的に安くコメが買えるようになるとした。