今月、シアター・イメージフォーラムで東日本大震災をテーマにした映画が2本公開された。1つは監督自身の経験を基に描いたフィクション作品「春をかさねて」。もう1つの作品は、被災した若者たちが亡くなった家族や友人に手紙で語りかけるドキュメンタリー「あなたの瞳に話せたら」。脚本、監督を務めたのは宮城・石巻市出身の佐藤そのみさん。震災で妹を亡くした。そのみさんの故郷を襲った巨大な地震で宮城県沿岸には大津波警報が出ていたが、大川小学校では津波が来たときの具体的な避難先を決めておらず、児童74人、教職員10人が津波の犠牲になった。2つの映画を撮影したのは5年前だが、そのみさんは当初人に見せることをためらっていたという。公開直前、佐藤そのみ監督に劇場公開に踏み切った理由について聞いた。作品には、そのみさんと同じように家族を亡くした地元の人たちも出演。震災で壊れた地域の絆が再生する描写も描かれている。初めて地元の人たちに見せたのは2年前。集まった200人から温かい拍手があり、これを皮切りに三重、熊本、東京、群馬など全国30か所以上を回り、学校や公民館などで上映会を行ってきた。初の劇場公開は、能登での地震も影響しているという。
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