夏、訓練開始から9月。訓練は次のステージへ。水深10cmだった池が40cmほどに。魚が格段に捉えにくくなっていた。この日ハルは4回目の挑戦で見事、魚を獲ることに成功した。ハルは魚を捕まえやすい浅瀬を探して待ち伏せるという野生で生きていくうえで欠かせない技を身につけた。訓練は始まって3年。ハルは保護センターを出て釧路市動物園で繁殖を行うことになった。野生の親から生まれたハルは、貴重な血統を持つ存在。その上、事故にあってないので繁殖できる可能異性が高く、動物園がずっと欲しがっていた理想のシマフクロウだった。シマフクロウは縄張り意識のとても強い生き物。そのため、ハルを離す場所が決まらないという。繁殖のできるハルを一時的に動物園に移し、種の保存に貢献してもらうことになった。2024年2月、ハルのゲージに、メスのミドリがやってきた。この時、ミドリはハルに近づくもハルは逃げてしまった。10月、再びハルのもとを訪ねると、夫婦になっていたことが分かった。うまくいけば子どもが生まれるかもしれない。保護センターでは、事故でけがをしていたナツが回復し、リハビリを開始した。ナツは事故の後遺症で片目が見えなくなっていた。リハビリを初めて1年半。翼の傷は癒えていないが、魚を獲ることを覚えていた。