老舗スーパー「成城石井」が、飲みやすさを追求したオリジナルワインを独自に開発した。目指したのは多くの人が好む「みんなのワイン」ではなく、ワインが苦手という人が「これなら飲める」「これはおいしい」という発見がある「私のためのワイン」を提供すること。成城石井は年々店舗数を拡大させその数は200店舗以上にのぼり、バイヤーの目利き力を生かし世界中から調達したチーズなど高品質な商品を豊富に揃えている。中でも柱となっているのがワイン事業だが、店舗数を拡大させる中で売上不振のワイン事業の立て直しが課題となった。そこでワインの価値を再構築したいと、新たな商品開発がスタートした。狙ったのは購入頻度の少ない20~30代。ワイン特有の渋みが苦手、高級なイメージで手が出しづらいという苦手意識を克服するため、試飲会で若手社員と意見交換をした。試行錯誤の上誕生したのは、フルーティーで飲みやすさを追求した白ワイン「アイスサマーヌーヴォ」。南アフリカで収穫した「シュナンブラン」と呼ばれるブドウを原料に使用し、現地のワイナリーで独自に製造した。さらにワインに氷や凍らせたフルーツ、アイスを入れる新たな飲み方を提案し、ワインの魅力を様々な入口から発信したいと渋谷、恵比寿などにワインバーをプロデュースして試飲イベントを実施し、多くの若者が「私のためのワイン」と出会う機会を創出した。ワインを通して、店舗全体を知るきっかけも作っていきたい考え。
