安全資産と言われる金価格がなぜ上昇したのか、その背景にあるのがアメリカ・トランプ大統領の予測不能な言動だった。21日にトランプ氏はSNSでFRBのパウエル議長に対し早期の利下げを要求。利下げに慎重な姿勢を示すパウエル議長を「ミスター・遅すぎ」などと批判しFRBへの圧力を強めた。市場では中央銀行であるFRBの「独立性が揺らぐ」との懸念が広がり、ダウ平均は一時1,300ドルを超える下落幅に。トランプ氏の言動で株だけではなく為替や債権にも影響が。外国為替市場で円相場は一時1ドル=139円台と7カ月ぶりの円高水準に。アメリカ売が広がり債権も売られたことでアメリカは株安・ドル安・債権安の「トリプル安」の展開となった。24日に開催する方向で検討している加藤財務大臣とベッセント財務長官との会談。今後、どこまで円高ドル安が進むのか、ベッセント氏が足元のドル安傾向についてどのような姿勢を示すかが注目される。