イギリス中部スカンソープにあるブリティッシュ・スチールはイギリス国内で唯一、原料から鉄をつくっている。2020年に中国の製鉄メーカーが買収したが、エネルギー価格高騰などで赤字が膨らみ、アメリカのトランプ政権が先月、鉄鋼製品に25%の関税を課す措置を始めたことも背景に2基ある高炉の運転停止を検討していた。これを受けスターマー首相は12日、イースターに合わせ休会していた議会を招集し、製鉄所の操業継続・従業員の雇用維持のため政府の経営介入可能にする緊急法案が可決された。この中でレイノルズ ビジネス貿易相は“長期的には製鉄所の国有化が有力な選択肢になり得る”と述べた。この製鉄所が閉鎖さされば、イギリスはG7で唯一、自国で原料から鉄をつくる能力を失い輸入に依存する事態が懸念されるということで、政府は鉄の自国生産維持するため異例の対応をとった。