ノーベル物理学賞。AI(人工知能)のゴッドファーザーとも称されるカナダ・トロント大学・ジェフリー・ヒントン教授、米国・プリンストン大学・ジョン・ホップフィールド教授の2人が選ばれた。AI技術の中核を担う機械学習の基礎になる手法を開発したと評価された。ホップフィールド教授は、人間の神経回路を模倣した人工ニューラルネットワークを使って、物理学の理論から画像やパターンなどのデータを保存し、再構成できる「連想記憶」と呼ばれる手法を開発した。AIのゴッドファーザーとも称されるヒントン教授は、この手法を統計物理学の理論などを使って発展させ、学習した画像などの大量のデータをもとに可能性の高さから未知のデータを導き出すアルゴリズムを開発した。ヒントン教授は「本当にびっくりしている」とコメント。2人が開発した手法などは、現在のAI人工知能の技術の中核を担う機械学習の基礎となり、その後「ディープラーニング」など、新たなモデルの確立につながった。喜びの一方で、ヒントン教授は「悪影響可能性も懸念しないといけない。手に負えなくなる脅威もあると思う」と発言。選考委員会は2人の功績について「1980年代以降、人工ニューラルネットワークの研究開発において、重要な業績を積み重ねていてすでに多くの恩恵をもたらしている」とした。明日は化学賞の発表。