トランプ政権に急接近している米国のメタ社の動きについて解説。メタ社のザッカーバーグCEOとトランプ氏はもともと険悪な関係だった。2016年、現在のメタ社はトランプ氏が勝利した大統領選で偽の情報が拡散したことをきっかけに外部機関によるファクトチェックを導入した。その後トランプ氏のフェイスブックのアカウントを凍結している。一方でトランプ氏は自身のSNSでザッカーバーグCEOを「選挙詐欺師を追及し長い間刑務所に送ってやる」と脅迫していた。しかし、2024年の大統領選挙後関係が一変する。ザッカーバーグCEOはトランプ氏と会食を行い100万ドルを寄付。更に外部機関によるファクトチェックを廃止すると発表した。これについて、ザッカーバーグは「ファクトチェックの担当者が政治的に偏りすぎており信頼を破壊してきた」と説明している。早稲田大学教授の中林美恵子さんは「そもそもザッカーバーグも当初は正義感を持って対処していたのかもしれないが、結局は企業の経営者として横を見れば、ライバルであるXを率いるイーロン・マスクがトランプ氏と親しくなっていて、ファクトチェックをしようと思うとどこが中立の線なのかがなかなか見えづらくなってきた。トランプ氏からはファクトチェックをする人たちは自分にはきついけども例えば、バイデンには非常に甘いじゃないかというようなクレームが出てくる。いちいち対処していくのは政治的にも非常に難しいということを痛感したのではないだろうか。ファクトチェックには費用がかかるので、なくすことのほうが経営的には楽になるという思いもあったのだろう」と分析した。