日本の先端技術が国外に流出する経済安全保障上のリスクについて。警察はセミナーを開いたり企業に出向くなどして助言する活動に力を入れている。技術の流出は、米国と中国の対立の激化などを背景にヨーロッパでは中国によるスパイ活動の疑いが相次いで明らかになるなど、世界各国でも取り締まりを強化している。警察によると、いま企業買収、共同研究と言った合法的ビジネスを装い、技術などを盗もうとするなどの手口もあるという。ロボット開発会社では6年前、海外の投資家が突然訪問し過去に開発したロボット技術を100億円で買いたいと提案されたという。突然の高額取引に加え決断を急がされたことに不信感を抱き断った。いま世界では先端技術を組み入れた兵器の開発競争が激化している。日本の先端技術が意図せず他国に軍事転用されるリスクはこれまで以上に高まっている。テムザック代表・高本陽一は「日本の技術がうかつに海外に出て違う目的に使われることがいちばん怖い」と話す。
最近でも情報流出の懸念がある接触が確認されており、警察当局から外務省側に情報提供が行われた。東京大学先端科学技術研究センター・玉井克哉教授は「民間技術の多くは軍事転用可能。安全保障上、技術流出を防ぐことは極めて重要。企業は情報を守るため、システムや社員教育にコストをかける必要がある」と指摘する。5月には国も対策に乗り出し「セキュリティークリアランス制度」制定に向けた法律が成立した。この制度は先端技術に関する重要情報を扱い、信頼性があらかじめ確認された人に情報に接することができる資格を与える制度となる。
最近でも情報流出の懸念がある接触が確認されており、警察当局から外務省側に情報提供が行われた。東京大学先端科学技術研究センター・玉井克哉教授は「民間技術の多くは軍事転用可能。安全保障上、技術流出を防ぐことは極めて重要。企業は情報を守るため、システムや社員教育にコストをかける必要がある」と指摘する。5月には国も対策に乗り出し「セキュリティークリアランス制度」制定に向けた法律が成立した。この制度は先端技術に関する重要情報を扱い、信頼性があらかじめ確認された人に情報に接することができる資格を与える制度となる。