セブン&アイホールディングスがMBOを検討していることがわかった。検討の背景にあるのがカナダのコンビニ大手、クシュタールから受けている7兆円規模の買収提案。この提案に対してセブン&アイではMBOによって既存の株を買い集め、会社を非上場化させる構想が浮上。買収に対抗する狙いがあるとみられる。セブン&アイの時価総額はおよそ6兆5000億円。2024円2月期の売上高は11兆4700億円に達する企業の異例のMBO構想。買収提案への対応を協議しているセブン&アイホールディングスの特別委員会は声明を公表し「潜在的な株主価値の実現のため、すべての選択肢を客観的に検討している」としている。株式市場ではMBOの報道を受け、セブン&アイ株の終値はきのうと比べ、11%以上の大幅な上昇となった。ただ、MBOが実現するかは不透明で、買収に向けた巨額の資金が確保できるかどうかか焦点。関係者によると、伊藤忠商事やメガバンクなどから調達する案が検討されているが専門家はこの資金調達が大きな課題になると指摘する。