トランプ大統領と習近平国家主席が今日にも電話会談を行う見通し。貿易が主なテーマだが、重要な交渉カードとなりそうなのが留学生問題。米ミズーリ州にあるセントラル・ミズーリ大学は、新学期が始まったばかりだが海外からの留学生の数が大きく減った。激減した理由は、不法移民対策を進めるトランプ政権が「学生ビザ」の発給を制限しているため。トランプ大統領は「留学生が多すぎる」と名門大学を批判。日本を始め世界各地の学生がビザの発給を受けられない事態となった。そしてこの秋、アメリカへやってくる留学生は15万人ほど減少。経済的損失は1兆円にも及ぶとも指摘。1920年代に建設されたという講堂。大学は今職員の賃金アップを取りやめるなど財政計画の見直しを急いでいる。遠からずアメリカ人学生にもその影響が及ぶことは確実。満額の授業料を支払う留学生が集まるからこそアメリカ人学生の学費が今の水準に抑えられているという。地元出身の学生にとって留学生がいなくなることはお金だけの問題ではなく、「一面的な偏った考え方しかできない」「彼らがもたらす知識も制限されてしまう」などといった声がある。こうした声が届いたのか、トランプ大統領は先月末、突然中国人留学生をこれまでの2倍以上となる60万人受け入れると表明。ビザ発給の拡大が取り沙汰されているのは中国だけ。今日にも行われる米中首脳会談の「交渉のカードにすぎない」という見方もあり、大学サイドからは「どうすれば豊かな教育が実現できるのか考えてほしい」という声が上がっている。