ソフトバンク本社の、とある一室。ここで行われていたのは、カスタマーハラスメント“カスハラ”に関する研究。“カスハラからオペレーターを守りたい”と研究しているソフトバンク・AI戦略室の中谷敏之さんが生み出したのは、“Soft Voice”という音声変換技術で、「コールセンターにかかってくる、お客さまの怒りの声をAIの音声変換を利用して怖くない声にして“カスハラ対策”になるかなと」「ものすごく単純に言うと、Aさんの声を怖くないBさんの声に変換するというもの。(音声の)特に攻撃性の部分を除去できないかというところで考えたものになる」と話す。サンプルのクレーム音声を使って“どのように声が変換されるか?”を比較してみると、“Soft Voice”はリアルタイムで“怖い声”を少し穏やかな声に変換してくれる。中谷さんはニュースで“カスハラ問題”を目にし、3年前にプロジェクトを発足。“従業員が心を病まないようにしたい”と実用化に向けた研究をきょうも続けている中谷さんは、「『お客さまは神様です』みたいなのがありますけども、そこが今は強すぎるんじゃないかと思っている。“人間”対“人間”なので、傷つけずに話をしていただくことを目標にしている」と話す。アンケートでは、怒りを感じる度合いが30%減ったという結果も出ていて、2025年度中に実用化を目指している。