パリの総合病院の一室で行われているある授業。名門ソルボンヌ大学が開設している1年間の特別コース「患者の大学」。この日はがん経験を共有することから始まった。フランスでは長期に渡る治療や再発リスクでがん患者が職場復帰しても2年後には4分の1が退職すると言われている。一方、この「患者の大学」では経験をスキルへと変える方法を学んでいく。15年前に始まってからこれまで1000人近くを社会に送り出しており、その多くがかつての自分と同じような不安を抱えるガン患者たちと向き合っている。卒業生のカロリーヌ・コーエンさんは再発を防ぐ治療を続けながら病院で患者パートナーとして働いている。