米国のトランプ大統領が軍の制服組トップ・統合参謀本部議長に指名した退役空軍中将が議会の公聴会に臨んだ。統合参謀本部議長に指名されたダンケインは1日、人事の承認に必要な上院軍事委員会の公聴会に臨んだ。ケインは書面回答の中で中国の人民解放軍について「あらゆる能力の向上に力を入れている」と警戒感を示した。そのうえで自衛隊と米軍の指揮統制を向上させる取り組みについて「信頼性の高い抑止力を維持するうえでも急速に変化する安全保障環境において同盟の有効性を確保するうえでも役立つ」として重要性を強調した。先月、訪日したヘグセス国防長官も日米同盟の抑止力と対処力を強化する必要があるという認識で日本側と一致したが、CNNテレビは国防総省が組織などを見直すために検討している案に在日米軍の強化計画の中止が含まれているとも伝えている。またトランプ大統領はバイデン前政権のもとで多様性を重視する人事を推進したと指摘されていた当時の統合参謀本部議長を2月に更迭しているが、ケイン氏は「政治に関与せず権力に対し真実を語る」と述べ、政治的中立を保つと強調した。