米国の大統領選挙に向けた共和党大会は3日目。トランプ前大統領の勝利に向け結束を呼びかける演説が相次いだ。銃撃事件後、勢いに乗るトランプ陣営がバイデン大統領への攻撃材料としているのが不法移民の問題である。その現場を取材した。米国・カリフォルニア州南部の国境の町では、連日不法移民の流入が続いている。去年拘束された不法移民は250万人以上と3年連続で過去最多を更新している。かつては中南米系が中心だったが、バイデン大統領の寛容な移民政策への期待が高まり世界中から不法移民が訪れる事態になった。厳格な国境管理を掲げるトランプ前大統領は「アメリカを破壊している」などバイデン氏を痛烈に批判した。バイデン大統領は国境管理を厳格化し事実上の国境封鎖を可能にする大統領令を出した。去年以降、中国人の不法移民が激増しているという。去年1年間で約3万7000人と前年の10倍である。SNSで中国政府を批判したとして当局に拘束され約1年半収監された父親は亡命を希望しアメリカに来たという。父親は「安全と自由のためだけにアメリカに来た。それ以外の目的はない」などと話した。中国人不法移民が集まるチャイナタウンを紹介し、毎朝のように日雇いの仕事を求めている。最新の支持率世論調査ではトランプ氏が43％、バイデン氏が41％となっている。