米国みずほ証券・兼松渉さんの解説。兼松さんは「先週金曜日、配車サービスを手掛けるウーバーとアルファベットの傘下で自動運転車を開発するウェイモが提携を強化し、無人のロボタクシーを提供する地域を拡大することを明らかにした。今後は既存のアリゾナ州フィニックスに加えテキサス州のオースティンやジョージア州のアトランタでもウーバーのアプリを通じてウェイモのロボタクシーを呼ぶことが可能となる。発表当日、ウーバーの株価は6%以上上昇。ウーバーはかつて自らロボタクシーを開発していたが、2020年にその部門を売却。現在はそのアプリを通じて消費者にモビリティプラットフォームを提供することに専念。投資家の間ではテスラやウェイモ、GM傘下のクルーズなどによるロボタクシーが普及することで、自らのロボタクシーを持たないウーバーは不利になるのではとの不安が広がっていた。ウーバーが提携を発表したことで投資家の安心感につながっている。今回の発表でもう一つ興味深いのは、これらの都市におけるウェイモの配車サービスがウェイモ自らのアプリではなく、あえてUberのアプリを通じてスタートするという点。サービスを提供する側にとってウーバーアプリの利用者ネットワークがいかに魅力的であるかを裏付けていると考える。もう一つ気になるのは発表のタイミング。来月10日にはテスラもロボタクシーを発表する見通し。ウーバーはそれに先立ち、リーダーとしての立ち位置を確立し市場を拡大しておきたい狙いがある。ロボタクシー参入にあたりアプリと利用者ネットワークを武器にするウーバーとEVと自動運転技術を武器にもつテスラ。米国市場におけるロボタクシーの戦いは始まっている」などと述べた。