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「トックリガンガゼモドキ」 のテレビ露出情報

およそ20年、地元の海を見つめてきた水中ガイドの松田康司さん。松田さんがガイドをするとさまざまな生き物の命の誕生の瞬間に立ち会うことができる。日本各地や海外から年間延べ2000人のダイバーや水中写真家などが訪れる。ガイドの土台となるのは「生態」と書かれたファイル。さまざまな生き物の産卵した時間や場所、潮位などおよそ10年分の観察記録。去年7月、松田さんたちガイドにとって大きな出来事があった。メンバーの1人が偶然ウツボの産卵の様子を目にした。ウツボの新たな魅力を知ってほしいという松田さんたちの思いに私たちは共感し、産卵を撮影する共同プロジェクトが始まった。撮影成功の鍵がウツボがどこでいつ産卵を行うのか、その正確な情報。はじめに産卵場所を特定するために生息地図の作成に取り組んだ。すると、ふだんは単独でいる雄と雌が夏のある時期になると集まる特定のスポットが明らかに。この日の観察では4組ものカップルがいた。さらに産卵の正確なタイミングの把握にも挑む。産卵は主に夜に行われるが、ウツボは夜行性で警戒心が強い特徴を持っている。そこで認識しづらい赤い光を使用してより長時間の観察をした。すると産卵が近づくと、上を向いて呼吸が荒くなることも分かってきた。先月5日、松田さんから産卵の予兆をつかみ始めたと聞き、一緒に現場に向かった。潜ってみるとトラウツボの雄と雌が身を寄せ合っていた。呼吸も荒く産卵が近づいているように見える。松田さんは今夜ここでウツボの産卵が見られると予測した。およそ7時間後。トラウツボのペアがいる。次の瞬間捉えた。トラウツボの産卵。口を開けて待つ雌に雄が飛びつくようにかみつき、2匹そろって勢いよく飛び出す。体をからませて精子と卵子が放たれ、受精卵が海中に広がった。ウツボの産卵を一連で記録した貴重な映像となった。

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