沖縄県や鹿児島県などで今月上旬にかけて行われた自衛隊と米軍の大規模演習。初めて行われたのが大量の負傷者が出たことを想定した治療や搬送の訓練。離島が攻撃を受けたという想定のもとより現実的な状況に対応するためとして実施された。背景にあるのが日本周辺の安全保障環境の変化。先月には中国が台湾周辺で大規模な演習を行うなど軍事的な動きを強めている。これまでにない訓練に乗り出した自衛隊。今、現場では何が起きているのだろうか。鹿児島県の徳之島。他国の部隊が島に上陸したという想定で自衛隊が偵察を行っていた。そのさなか、隊員が倒れていた。銃撃によって腕などを負傷し、大量に出血したという想定。衛生隊員が止血と痛み止めの応急処置を行う。さらに輸血などのため自衛隊の病院がある沖縄本島に向けてヘリコプターで搬送した。病院には鹿児島県と沖縄県のほかの離島からも負傷者役の隊員が続々と搬送されていた。その数およそ300人。銃撃やミサイル攻撃などによって負傷した想定。すぐに輸血が始まる。重傷者は手術室へ。爆発で腕が失われたと想定して出血を止める手術を実施。容体が重いケースは関東などにある自衛隊の病院へと搬送していた。