安福氏らは去年1年間だけで217件という肺移植を行い、世界一を記録。6月、病院に届けられた肺の状態を確認すると、移植に耐えうると評価された。移植を受けるのは肺気腫が進行した男性で、酸素吸入なしでは日常生活を送ることができない。左右両肺の移植は高難度で、1割が命を落とすとされる。手術は午前3時に始まり、人工心肺を使えば難易度は下がるが、安福氏らは患者に負担をかけると用いなかった。血流を再開させると肺が空気を取り込みはじめ、午前7時に終了。30分後、安福氏は椅子に腰掛けることなく、診察へと向かった。患者は2週間後、退院した。