吉川雅幸さんのプロの眼。テーマは「アメリカ一強だったワケ」。吉川さんは「昨年からFRBがかなり金利を上げたので、今年はアメリカ経済減速するのでは、景気後退するのではという声もあったが、今年の夏の景況感を見るとアメリカ一人勝ちだったと思う」。アメリカが強い理由として、吉川さんは「コロナ禍からの早い消費回復」を挙げ、「コロナの問題がなくなり、我慢してた旅行などサービス消費を始めた。このサービス消費の立ち直りがアメリカがやはり日本とかヨーロッパに比べて力強かった。アメリカがワクチン開発などで先行したこともあるが、アメリカ政府が失業保険などでお金を渡したこともある。あとはアメリカの国民性で、良くなったら動き始めるというのも働いたかもしれない」と話した。2つ目は「エネルギー高が企業に恩恵」で、「日本とドイツは輸入の価格があがってしまったが、アメリカはシェールオイルやシェールガスの開発が進んだ。日本やドイツは同じ量の天然ガスとかを輸入してても兆円単位のお金を海外に払わなければならない。結局そのツケは企業収益がコスト増で圧縮されるか物価があがって消費者がものが買いにくくなる。そういう形で負担せざるを得ない。ところがアメリカの場合は少なくとも原油や天然ガスを作ってる企業があって、そこの収益は増えてる。消費者は苦しんだかもしれないが、全体としては企業収益が良くなった。原油高、天然ガス高はアメリカの景気にとってはプラスに働いた」などと述べた。3つ目は「他国を上回る規模の積極財政」で、「アメリカ政府の支出がアメリカの景気を支えた。これはエネルギー高に苦しんでる消費者へ使ったのもあるが、同時にインフレ抑制法案という名前で使われるが、企業への補助金に使われて、それがアメリカの景気が強かったもう一つの理由かと思っている」と話した。吉川さんは来年は「FRBの利上げの効果が出てくる可能性がある」、「アメリカ家計の資金はMMFへ」とした。来年に日本株・為替については「円高になるとしても135円くらいまでだと思っている」と話した。