NATO(北大西洋条約機構)の首脳会議が米国の首都ワシントンで開幕した。撤退問題で揺れるバイデン大統領が、ウクライナ支援などの議論をリードできるかも注目される。開幕の演説でバイデン氏は「ウクライナに対し、ドイツなどと共同で防空システム5基を追加供与する」と発表した。首脳会議はウクライナ支援が主要議題となり、加盟国全体で7兆円規模の軍事支援を継続することで合意する見通し。しかし、バイデン氏の足元は揺らいでいる。身内の民主党では9日、バイデン氏が選挙戦を継続するべきかを話し合う会合が行われ、指導部は支持を表目したものの、撤退を求める議員との溝は埋まっていない。さらに大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領も演説し、「民主党は分裂し、完全に崩壊している」とバイデン氏の陣営を攻撃している。高齢不安が広がる中、バイデン氏が指導力を示せるのか、各国が注視する中での首脳会議となる。