米国大統領選挙で返り咲きを目指すトランプ前大統領は29日、激戦州の1つ、中西部ミシガン州の選挙集会で演説した。この中で不妊治療のための体外受精について“費用が高額で多くの人にとって治療を受けるのは大変だ”と指摘した。そのうえで「働く世帯への支援策の一環として、対外受精に関連する全費用を政府が支払うか、保険会社に支払うよう義務付けることを宣言する」と述べ、体外受精の費用を政府か保険会社が全額負担することを目指す方針を表明した。米国では体外受精を巡って共和党の支持基盤のキリスト教保守派の一部などに規制を求める声があり、民主党はトランプ氏が大統領になれば体外受精が禁止されるおそれがあるなどと主張している。トランプ氏としては大統領選挙に向けて体外受精を支援する姿勢を打ち出すことで、民主党の批判をかわすとともに若い世代などからの支持を取り込むねらいがあるとみられる。