石破総理大臣が G20サミットに参加する。石破総理は世界情勢が不透明感を増す中、日本が率先して国際社会の協調を促すねらいがある。背景には、軍事や経済の分野で強硬姿勢を取る中国やロシアに加え、米国でトランプ氏の大統領就任が決まったことによって、世界的に保守主義的な傾向が強まるのではないかという警戒感があるため。ある政府関係者は、安全保障も経済も、かつてないほど複雑化していると指摘している。石破総理は、国際協調には、大国の動向に影響を受けやすい途上国や新興国と価値観を共有できるかが鍵になるとして、法の支配に基づく国際秩序の重要性を強く訴えることにしている。普遍的な価値観を訴えるとともに、日本の強みのある分野で、協力していく姿勢を示す方針。とりわけ防災対策は、石破総理自身が国内でも最優先とする政策課題で、日本の知見や経験を各国と共有していく考えを示す見通し。また、貧困の対策など、途上国のニーズが高い支援を積極的に行う姿勢を強調し、各国とのさらなる連携につなげたい考え。