2025年のクレジット市場を展望。BNPパリバ証券・中空麻奈の解説。中空さんは「米国投資適格CDSスプレッドをみるとずっとタイトになっている。タイトになると信用力が改善している、ワイドになると悪化していると見るのでずっとタイトになってきていることは安定していたということが言える。米国は新大統領になった後に何が起きてくるのか、取る政策によって輸出輸入が変わることは規定路線だと思う。最初の影響としてはインフレやGDPにネガティブな影響が出るということはあると思っている。もう一つの問題点としては移民政策をトランプ大統領が大きく取るとする、消費よりももっと大きな影響としては雇用市場に与える影響が大きくなるのではないか。移民の人で多くいるのが建設業と言われているので建設業に従事する人が減れば実際にいくらニーズがあっても家が建てられないということが起きてくる。世界中の問題として財政拡大の問題。債務負担が増えると格付けが下がるということまで影響が出るのではと思う。イギリスとフランスは2024年の6月、大きく差が出ている。イギリスとフランスはイギリスの方がワイドにあったのに逆転している。6月は両方選挙があった。選挙の時、イギリスは既定路線、フランスは突然のことだったのでびっくりした。このあと変化がない。これが財政問題。イギリスはスターマー首相に変わり財政再建にがんばっている。イギリス国民がトラスショックもあったので財政再建に票が入りやすい面もある。財政ルールを決めて、投資以外は日々の歳出を歳入でまかなうルールなど厳しいことをし始めた。いくつか細かいところでの増税をしてみたり、安心して安定している。フランスはこの間、内閣不信任案が出た、背景にあったのが財政再建ができないのではないかということ。フランスの財政赤字、対GDP比では足元で赤字が3%を超えている。欧州ではこの比率を3%以内にしようと決めている。1年でGDP比を1%以内にしようとがんばろうとしている。そうすると国民に負担をしいることになるためルペン氏などが反対したが強行しようとしたため内閣不信任案が出された。ポピュリズムを重視する政策はとろうとしている極右・極左の政権に対し保守政権が財政再建をしようとしても難しい。フランスのCDSはワイドになっている。フランスとスペインのCDSは格付けの差があるがフランスのほうが安くなっている。フランスを買ってスペインを売れば儲かる。日本はつい先般補正予算が決まってしまった。それを考えるとプライマリーバランスの黒字化というのは多分果たせないのだろうと思う。日本も他人事ではない。日本と中国って格付けがほとんど一緒。中国のほうが信用がないように見えると考えると日本のほうが大きく高くないといけないが差が縮まっている。日本の方が悪くなりそうという懸念が出てきている」などと述べた。