国連のグテーレス事務総長は新年を前に、ビデオメッセージを公開し、「地球温暖化の進行について気候の崩壊が起きている」と強い危機感を示したうえで「破滅への道から抜け出さなければならない」と述べ各国に対して温室効果ガスの排出削減などに一致して取り組むよう呼びかけた。グテーレス事務総長は30日に公開したビデオメッセージの中で、今年について「希望を見いだすのは困難だった」と述べた。その要因として、戦争や社会の分断などによる影響を挙げた。さらにこの10年は、観測史上でも最も厳しい暑さの10年だったとして強い危機感を示し、各国に温室効果ガスの排出削減などに一致して取り組むよう呼びかけた。地球温暖化を巡っては、世界気象機関が今年の世界の平均気温について観測史上、最も高くなるとの見通しを示すなど対策が急務となっている。一方、米国のトランプ次期大統領は、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定から再び離脱すると見られていて、影響が懸念されている。