愛媛の機械メーカー三浦工業のアメリカの工場では、各地から輸入していた部品にトランプ関税がかかることになった。北米事業の責任者・藤原さんは、トランプ政権がカナダやメキシコに関税をかける方針を表明した2月頃に実際には発動しないとみていた。ところが3月にトランプ大統領は25%の関税を発動した。カナダなどからの部品の輸入に年間100万ドル規模の負担が新たに生じるおそれがあった。同じ頃、伊藤忠商事はトランプ関税の対応を緊急に話し合っていた。伊藤忠商事は20年以上前からアメリカでエネルギー事業を拡大してきた。関税で発電所の部品が最大2割ほど値上がりすることになり、部品調達の前倒しに迫られていた。話し合いの結果、事業を継続させるため数千万ドルの資金をかけた対応をとる方針が決まった。