アメリカ商務省がことし1月から3月までのGDP速報値を発表した。前の3か月と比べた実質の伸び率は年率に換算してマイナス0.3%となった。GDPはマイナスとなるのは12期ぶり。GDPの約7割を占める個人消費はプラス1.8%、前期の4.0%から減速した。アメリカ経済の堅調さは個人消費が牽引しているが、トランプ政権が中国への追加関税を発動して以降、先行きの不透明感などが消費の伸びに影響を与えているという見方もある。輸入はプラス41.3%、前期のマイナス1.9%から大幅に増えた。関税発動前の駆け込み需要などが要因。輸入は国外での生産を示すので、増加するとGDPを押し下げる方向に働く。市場関係者・専門家はGDPがマイナスに転じたのは輸入急増が主要因で、景気減速のサインとして受け止めるべきでないとの意見が出ている。トランプ大統領は「あれはバイデン前大統領の数字だ。私は彼の経済政策にすべて反対だった」とコメントし、バイデン前大統領の政策の影響が大きいとした。米国野村証券の雨宮シニアエコノミストは「今後は関税の影響で個人消費・設備投資が手控えられ、それによって雇用を減らす企業が増えるのか。失業率が上がるのかが夏場に向けて最大の焦点で、不況入りするか考える上で重要」と指摘した。