きょうのテーマはアメリカ大統領と健康問題。去年の大統領選で健康問題から再選断念に追い込まれたバイデン前大統領が先日進行性の前立腺がんを公表した。先月30日、デラウェア州で公表後初めて公の場に姿を見せ、体調はいいと語った。がんの悪性度は高く骨に転移しており、医師と治療の選択肢を検討中。2019年には立候補に際して病歴を公表し、在任中も3回に渡り定期健康診断をの結果を公表した。ホワイトハウスの主治医は、大統領在任中の健康問題は指摘しなかった。一方、バイデン氏がPSA検査を最後に受けたのは就任前の2014年。トランプ大統領はお見舞いのメッセージを投稿した一方で、公表のタイミングに疑問を投げかけた。
バイデン氏のがん公表前に、ホワイトハウスはトランプ大統領の健康診断の結果を公表した。書面には、“大統領が検査結果の公表に同意した”と記され、公表は任意であることがわかる。トランプ大統領は歴代大統領の慣例に従い今年4月、ウォルターリード米軍医療センターで定期的な健康診断を行いその結果を明らかにした。また、在任中のバイデン氏は医師の判断で認知機能検査を受けずトランプ大統領から批判を浴びた。トランプ大統領は認知機能テストで30点満点で正常と記載される。トランプ大統領は健康を政治的にアピールしたい思惑もあるとみられる。歴代大統領でもウッドロー・ウィルソンらを見てみると、健康問題が生じても公表しない傾向にある。公表は大統領自身の判断に委ねられる。