釜山でトランプ大統領と習近平主席が会談した。アメリカと中国は関税措置などをめぐって対立し、中国側はレアアースの輸出規制のカードを切って双方が関税を引き下げる合意につながった。中国は今月レアアースの輸出規制をさらに強化すると発表していた。中国は豊富なレアアース埋蔵量を持ち、採掘で6割、精製で9割のシェアを占めている。米国防総省はカナダの鉱山資源会社に30億円以上の助成金を支給。精製では中国に頼っていたが、5年前に精製の特殊な技術を持つ企業を買収し、中国以外で採掘された鉱石からレアアースを抽出する実証実験を進めている。会談終了後はトランプ大統領が先に手を差し伸べて握手を交わし、習主席に耳打ちする場面も見られた。トランプ大統領はその後飛行機の機内で、レアアースの問題はすべて解決したと述べた。中国商務省は、レアアース関連の輸出規制の強化について1年間停止することでアメリカと合意したと発表。アメリカ側も1年ごとに交渉することで合意したことを明らかにした。このほか会談では薬物流入を理由に課している20%の追加関税を10%に引き下げることや、中国がアメリカ産の農産物を大量に購入することが確認されたとしている。台湾情勢についてはまったく話に上がっていないとしている。
