羽つり下ろし作業の日、梅友が合図を出し大型クレーンを誘導する。クレーンを操縦するのは岩元。取り外した羽はこの赤いエリアに下ろす。ほかのスペースは雑草が茂っているため大型クレーンは風車の後方に置かなくてはならないため余計に難しい。羽とナセルはボルトで固定されている。羽の重さは約32トン。ポイント1、クレーンで羽をつる際ワイヤーロープを垂直にする。ポイント2、クレーンでつる力は羽の重さと同じにする。もしクレーンの力の方が大きいと外れたとき上に跳ね上がってしまう恐れがある。逆に小さいと羽の重さに負けてバランスを崩す。岩元は梅友の合図を頼りにこの難作業に挑まなければならない。まずクレーンと羽をつなぐ玉掛け作業。垂直になるよう梅友が誘導する。風速を確認しながら羽を外す。ボルトの数は44本。羽をナセルからそっと引き抜こうとしたとき上が狭く下が開いていることに気付いた。梅友はクレーンが羽を上に引っ張りすぎていることが原因だと考え岩元に指示を出した。しかし状況は全く変わらない。クレーンの力をさらに弱めると羽が水平になったためかボルトが動き始めた。本来ならば荷重は32.5tでつり合っていなければならないが今クレーンの力は29.8tで3t近く足りない。このまま取り外せばバランスを崩す恐れがある。想定外の事態に緊張が走る。さらに天候が悪化し雷雨が接近しているという。そのとき作業を下からうかがっていた岩元が80m上空のクレーンのブームが20cm後方にズレているのではと気付いた。クレーンでつる力を強めながら同時に微妙に動かしながら44本のボルトが抜ける位置を慎重に探る。作業開始からおよそ1時間、羽はナセルから無事に取り外された。羽が地上に下ろされ難関ミッション大成功。作業が終わると同時に現場は雷雨に見舞われた。翌日には天候が回復し風車の解体作業が進んだ。4日後、1基の風車が無事に解体された。