IAEA(国際原子力機関)は加盟国に示した報告書で、「イラン政府から中部のナタンズとフォルドゥにある核施設で、ウラン濃縮に使う遠心分離機を増設する計画を通告された」と明らかにした。「このうちフォルドゥでは、実際に増設が進められていることを確認した」としている。これを受けて英国とフランス、ドイツの3か国は共同声明を出し、「イランの措置は核合意で定められた上限をすでに大幅に超えている濃縮ウランの製造能力と蓄積をさらに拡大し、核開発をエスカレートさせるものだ」と非難した。IAEAの理事会ではイラン政府に対して、国内の申告されていない場所で見つかった核物質について「調査への協力が不十分だ」とする決議が採択されたばかりで、遠心分離機の増設はこれに反発した動きと見られている。イランは米国のトランプ前政権が核合意から離脱して以降、核合意で定められた上限を大きく超える60%にまで濃縮度を高めたウランの製造を進めていて、国際社会の懸念が高まっている。