トランプ氏の暗殺未遂事件は、米国の大統領選挙に大きな波紋を広げている。トランプ氏のもとで結束を強める共和党はその勢いを増していて、一方の民主党では、バイデン大統領への撤退圧力が更に強まっている。18日、共和党大会の最終日。トランプ氏は暗殺未遂事件後、初めての演説を行い「神」の存在を強調。「最後の瞬間に頭を動かさなかったら暗殺者の弾丸は完璧に命中して、私は今夜ここにいなかっただろう。私がこの場に立っているのは全能の神のご加護によるものだ」と述べた。事件は13日、ペンシルベニア州で発生。トランプ氏が演説する中、周囲は異変に気づいていた。屋根の上にいる不審な人物を発見。警察官を呼ぶ声も聞こえる。この直後、犯行に及んだ。右耳をかすめた弾丸。立ち上がったトランプ氏は拳を突き上げ、凶弾に屈しない姿を見せつけた。その姿はトランプグッズとして人気を博し、支持者はトランプ氏を「神に守られた特別な存在」と受け取っている。トランプ氏を正式な候補者として指名した共和党大会。その様子は正に”トランプ党”と言える物だった。最後まで候補者争いを続けた共和党・ヘイリー元国連大使。かつては共和党内の“反トランプ”の象徴だった。今回、壇上に立った際もブーイング混じりの歓声が起きていたが、トランプ氏の支持を表明すると大歓声に変わった。大会史上最長となる演説を行ったトランプ氏は「地球は今、第三次世界大戦の瀬戸際にある」と述べた。