四季折々の花が咲き乱れる庭園が千葉・君津市にあり、5000坪の敷地内には9匹の猫がのんびりと暮らしている。清水夫妻は農薬を使わず、動物や昆虫と共生できるガーデンづくりを信条とする。4月、クリスマスローズを皮切りに春の花が咲き乱れる。9匹の猫はそれぞれ庭園にやってきて、いつの間にか居着いた。みな、避妊去勢されている。オスのコジジは来訪者に懐きやすく、お出迎えとお見送りを日課とする。同じくオスのオルは9匹の中で唯一の長毛種。ボス猫にあたるのがニャジラで、好戦的だという。なお、元々は個人庭園だったがやってくる人が増えたため、自宅を改装してカフェまでオープンしてしまった。
庭園が最も美しくなるのは初夏で、様々なバラが咲き誇る。メスのマリーは庭園のなかで屈指の可愛さを誇り、さらに好戦的とは程遠いという。最弱なのはオスのコモイで、清水さんが引っ越して来た時に連れていた猫にそっくりらしい。オスのチョビは新入りながら、カフェに姿を見せると訪問者から可愛がられる。先輩たちとはウマが合わないなか、コモイからは怖がられている。秋、美人ガイドと評されるシカが樹上から庭園を見下ろしていた。肌寒くなると、オルとマリーが身を寄せ合い、暖を取っていた。
清水幸三さんがダンボールで猫小屋をつくっていると、コモイが検分していた。19年は台風による強風で庭園は被害を受けたが、オルが木の上で寝ている姿を見て、清水さんは復興にむけて奮起したという。庭園ではボス猫のニャジラが姿を消し、マリーがボスの座についた。コジジは変わらず門番のような役割を果たし、残る猫たちは健やかに生きている。