今年のノーベル経済学賞に選ばれたダロンアセモグル教授らが書いた「国家はなぜ衰退するのか権力・繁栄・貧困の起源」が話題になっている。経済専門書では異例の売れ行き。冒頭で米国・アリゾナ州ノガレスとメキシコ・ソノラ州ノガレスの2つの違いを比べている。2つのノガレスの違いは社会制度だという。米国では大統領選挙でトランプ氏が再選の機会をうかがい、ヨーロッパ各国でも自国第一主義の極右政党が台頭する状況に、アセモグル教授は危機感をあらわにする。「先進国における民主主義への支持は過去最低レベル。人々は権威主義的な政権や独裁・軍事政権に対して支持することに非常に抵抗が少なくなっている。その背景には民主主義に対する失望が少なからず影響している」と指摘。