米国・バイデン大統領は11月の大統領選挙の選挙戦から撤退する考えを表明した。そのうえで民主党の大統領候補としてハリス副大統領を支持する考えを示した。ハリス副大統領は声明を発表し党の指名を獲得したうえで選挙戦で勝利する決意を示した。クリントン元大統領夫妻も早速、ハリス氏支援を表明した。討論会での惨敗から24日、民主党指導部からの執拗な圧力の中、バイデン大統領は再選を目指すことを断念するという歴史的な発表を行った。その数分後、大統領は自分に代わる民主党の大統領候補としてハリス副大統領を支持した。大統領が、ここまでくるのに3週間余りかかった。討論会後の数日間は強気だった。しかし撤退圧力は増すばかりだった。俳優で、民主党の大口献金者のジョージ・クルーニーさんは討論会の数日前に大統領と会っていたがニューヨークタイムズ紙に寄稿し、撤退を促した。民主党・シューマー上院院内総務とジェフリーズ下院院内総務は直接、バイデン大統領にバイデン氏が選挙に負け民主党議員も巻き添えになることを懸念していると伝えた。ペロシ元下院議長はさらに踏み込み、大統領が再選を目指すと言及したにもかかわらず、テレビで、まだ決まっていない問題だと述べた。バイデン氏は、新型コロナウイルスの検査で陽性が確認され、療養のため、地元デラウェア州に戻った。消息筋によると、自主隔離中の自宅で20日夜、夫人とともに決断に至った。ハリス氏は、バイデン氏の撤退表明後、すでに資金集めをしている。ハリス氏は、人工妊娠中絶や移民問題など選挙の重要な争点のいくつかで政権を代表する声となっている。また、ハリス氏が民主党の大統領候補となれば歴史的。黒人女性、アジア系として初の候補となる。副大統領になってからは大統領の重要な会合に同席し、今週、イスラエル・ネタニヤフ首相とも会談するとみられる。バイデン氏の撤退表明後すでに資金集めも始め、民主党を結束させトランプ氏を打ち負かすために全力を尽くすとしている。