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「バリバラ」 のテレビ露出情報

精神を病んだお笑い芸人とその相方に密着した。ハウス加賀谷さんは強面のルックスで知られ、かつて「松本ハウス」としてブレイク。現在も新宿歌舞伎町・ハイジアV-1の舞台に月に1度出演している。相方は松本キックさん。舞台のギャラはコンビ2人で1万円。松本さんは所属事務所で講師のアルバイトを務め、後輩にネタの作り方などを教えている。2人は「ボキャブラ天国」出演者として爆笑問題、ネプチューンなどと競い合い、全盛期には月収300万円以上だった。松本さんはほかに新型コロナのコールセンターで1日12時間・週5日働いて家族を養っている。妻は子ども向けの歌とダンスの講師で共働き、ほかに長男と長女の4人家族。家の家賃は15万円、生活はギリギリだという。
松本さんは高校中退後芸人を志し、22歳の時に事務所で5歳下の加賀谷さんと出会ってコンビを結成。8年後にいったん活動を休止した。理由は加賀谷さんの持病で、現在も日常生活で手の震えなどが止まらないという。病名は「統合失調症」で、活動休止当時は入院するほどの重症だった。相方の入院後、松本さんは俳優としての道を模索したことも。舞台女優だった妻と結ばれたが、芸人や俳優としてヒットすることはなかった。休止から10年後、加賀谷さんから復帰したいとの申し出があり、ライブへの出演を再開することになった。
松本ハウスの2人は、加賀谷さんの統合失調症の体験を生かした講演会の活動も行っている。2021年2月、福岡県久留米市の市民公開講座に出席。リモートでの講演会で、統合失調症の症状は中学2年の頃からあったなどと体験を語った。厳しいしつけの家に生まれ、バイオリンなどを習ったこともあったが、ストレスがたまって妄想や幻聴などの症状を感じるように。芸人時代にも症状は止まらなかったという。加賀谷さんは毎月1度、相方の付き添いなしでかかりつけの病院に通っている。症状が重かった時は閉鎖病棟に入れさせられ、月に1度だけ外出と運動の機会があったと答えた。
新宿歌舞伎町・ハイジアV-1の舞台では、加賀谷さんの症状が重くなり、相方に許可を得て椅子を舞台に持ってきて座りながらのお笑いライブとなった。相方の松本さんは、統合失調症について勉強を重ね、接し方を工夫して舞台を続けている。病状を理解した普及活動などの功績で表彰されたこともあるという。テレビの仕事が入ることもあり、障害者やマイノリティーをテーマとした「バリバラ」の収録ではジミー大西さんとも共演した。台本が直前で書き直され、加賀谷さんは病状からくるプレッシャーに耐えて本番を演じた。途中で台詞が詰まり、何度か取り直すことになった。
松本ハウスの舞台は加賀谷さんの病状に合わせ、その時の台詞に相方の松本さんが合わせながら演じている。即興ぶりを明かしてネタにすることもある。舞台がスベって終わる月もあり、落ち込む加賀谷さんに松本さんは今のままでいくしかないと言って聞かせた。松本さんの妻の仕事が無くなり、家族が生活を見直すことになった。

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