柔道男子81kg級。この階級はは軽量級のようなスピーディーな柔道にも、重量級のようなパワフルな柔道にも対応しなければならずオリンピックではいまだ連覇した人のいない階級。そんな中、永瀬貴規選手がオリンピック史上初の連覇の快挙を成し遂げた。ともに金メダルを取った高藤直寿さんは永瀬選手とは小学校からの柔道仲間。その持ち味について高藤さんは「永瀬選手の間合いの深さ。相手が投げに行けないというところが一番。そもそも懐に入れない。それが永瀬選手のゾーン」などコメント。この永瀬ゾーンについて松岡修造が8年前に取材していた。普通リーチの長さは身長とほぼ同じと言われているが、永瀬選手の場合身長より8センチ(身長は181センチ、リーチは189センチ)も長い。永瀬ゾーンを軸に東京五輪ではしぶとくまけない柔道で金メダルを獲得。しかし、その後の3年間はパリ直前まで全く勝てない日々が続いた。オリンピックチャンピオンが故に負けない柔道になりすぎていたという。もともとの鉄壁の守備に加えて、より大胆に攻撃をしかけていくことが大切だと勝てない中で気づいていった。それが活かされたのが今回のパリ五輪。決勝相手は、世界選手権3連覇中の最強王者。永瀬ゾーンで距離を取りながら果敢に攻め続け、最後は一本勝ちを決めた。永瀬選手は「私らしく派手さはなかったが、しぶとく相手が嫌がる柔道を貫いて我慢の柔道で優勝することができた」などコメント。