パリオリンピックの新競技・ブレイキンで、難民選手団の女性選手が母国・アフガニスタンで抑圧されている女性たちの解放を訴える異例のパフォーマンスを見せた。ブレイキンの女子の予備予選に出場したのはアフガニスタン出身の21歳、難民選手団のマニザ・タラシュ選手。世界ダンススポーツ連盟などによると、17歳の時に始めたブレイキンの楽しさに魅了され、地元メディアでアフガニスタン初の女性ブレイキンダンサーと報じられた。しかし、2021年にイスラム主義勢力・タリバンが実権を掌握すると、女性の教育や就労などの権利が厳しく制限されるようになり、自由を求めてスペインに逃れた。タラシュ選手は軽快な足さばきで観客を沸かせていたが、終盤に上着を脱ぎ捨てると青いケープを披露。そこには「アフガニスタンの女性たちを解放せよ」と書かれていた。観客や対戦相手からは大きな拍手が送られた。しかし、オリンピック憲章では競技中に政治的主張を行うことを禁じており、ロイター通信は「処分を受ける可能性もある」と伝えているが、タラシュ選手の訴えは大きな注目を集めている。