二冊目のテーマは「GAFAが導入している指標を用いて売り上げにつなげる」。パリミキが好調な理由は他にもあり、別の方法で利益アップした郊外の店舗へ。お客さんに話を聞くと、聞こえてきたのは接客の質であった。利益アップの裏には顧客満足度をあげる秘密があり、それはGAFAでも導入されているNPSであった。NPSはネットプロモータースコアのことで2003年にアメリカの企業が開発した顧客満足度の指標であり、商品やサービスを「どれだけ人に勧めたいか」を測定する。現在はGAFAを始め世界で数万社以上が導入し、サービス向上に役立てている。その仕組みはアンケートの回答を数値で見える化するというもの。例えば「このサービスどれくらい人に勧めたいですか」の質問については0から10の11段階で「全く勧めたくない」から「絶対勧めたい」までを数字で答えてもらうだけである。この結果を元にお客さんを3つに分類し、9か10を選んだ人は推奨者で7か8を選んだ人は中立者で0から6を選んだ人は批判者となる。この推奨者の割合から批判者の割合を引いた数字をNPSスコアと呼ぶ。パリミキでは2023年から導入し、アンケートサイトへとつながるQRコードを読み取ってもらいお客さんに11段階で評価してもらっているという。そして全616店舗でNPSスコアを算出し、店舗ごとの接客レベルが数字として見える化されている。元々はNPSの数字を取ることを目的にしたわけではなく、お客様の体験を良くしたかったという。近年メガネ業界ではロープライスを掲げた同業他社が台頭し、パリミキは売上高を追い求めるあまり接客の質が次第に低下していた。気づけば売上は約50%ダウンし、店舗が6割ほどに減少してしまった。そこで2023年に恒吉社長は就任を機に「売上を追わず顧客を重視する」と方針を転換。店舗ごとの接客を見える化し改善につなげる手段としてNPSに注目した。今では顧客第一の接客となり、細かな説明に加えたくさんの選択肢を提案したりしていた。さらにリピーターには前回の履歴を踏まえて接客している。NPS導入でお客さんの反応については1%ずつくらいリピート率が上がっており、新規顧客が10%以上アップしたという。大手IT企業であるGAFAの1つAppleでもスタッフ全員がアクセス可能な社内システムで顧客の声を共有し、それを元に日々の接客スキル改善へつなげている。さらにAmazonでは生鮮食品を扱う部門でNPSを導入し、商品情報の正確さを高める取り組みに役立てられたという。NPSスコアを上げるためにはマイナスをゼロに持っていく基準でちょっとマイナスなことをなくしていくとのことだった。
住所: 神奈川県横須賀市大津町1-1-1