30日に行われる予定だったパリ五輪・トライアスロン男子。日本人選手2人も出場を予定していたが、水質基準を満たさず競技は翌日の31日に延期となった。かつてパリではセーヌ川を泳ぐことが夏の風物詩だった。しかしその後、水質汚染が深刻化し、101年前の1923年から遊泳禁止となっていた。セーヌ川でのオリンピック競技実現を目指し国やパリ市が水質改善のため2,300億円以上をかけて浄化作戦を行ってきた。セーヌ川に下水が流れ込まないよう競技用プール20杯分もの巨大貯水槽が作られた。そして今月に入ると水質改善をアピールするためスポーツ相はパリの市長も自らセーヌ川を泳いでみせた。しかし日本時間27日に行われた開会式当日・翌日には雨が降った。これにより溢れ出した下水がセーヌ川に流れ込み再び水質が悪化。競技を行う基準をクリアできなくなってしまった。また、セーヌ川は来年「オリンピックレガシー」として遊泳スポットが3カ所設置されることがすでに決まっているが、市民は「泳ぎたくない。汚いから」「人間が泳ぐような環境ではない」などと話す。萩谷さんは「今回セーヌ川の浄化設備を作ったことで将来的にセーヌ川が泳げるようなきれいな川になるなら、それはそれでレガシーだと思うけど、とにかく今ここで泳がないといけない選手に過剰な負担がかからないようにと願うばかり」とコメントした。