世界の人たちを魅了するフランス料理だが、フランス国内ではいまレストランでの厨房でのハラスメントが問題となっている。実際に起きたレストラン業界でのパワハラの場面を再現した動画を紹介。SNSで公開され、注目を集めている。ことし5月に出版された「ちゅう房の暴力」。レストラン業界で働く人たちが体験した数百件のハラスメントの証言を聞き取り、一冊の本にまとめた。著者はフランスのレストラン業界ではシェフを頂点とする厳しい上下関係が存在し、ハラスメントが起きても“長年見逃されてきた”と指摘する。本は反響を呼び、メディアでも大きく取り上げられた。著者のもとには自分も被害を受けたといった証言が相次いで寄せられ、その数は計3,500件以上に上った。被害者の一人、パティシエのビットリア・ナルドンヌはハラスメントをなくしたいと立ち上がった。ナルドンヌは料理人を目指す若者たちの教育に力を入れている。ナルドンヌと共にハラスメント対策に動きだしたシェフもいる。取り組みの一つがまかないの時間。仕事の話をすることを禁止した。その狙いは互いに尊重しあえる関係を築くこと。ナルドンヌたちは改革の輪をさらに広げていきたいと考えている。フランスのレストラン業界でのハラスメントが問題になる背景には、厨房の成り立ちが関係しているとも言われている。フランスでは現代フランス料理の基盤を築いたとされるシェフが軍における組織運営のノウハウをちゅう房の世界に持ち込んだとされている。このためレストランの料理人たちは「ちゅう房の旅団」とも呼ばれている。フランスでもハラスメントを禁止する法律はある。フランスのレストラン業界は深刻な人手不足にも直面している。
