金原は総括に、おにぎりの国でしょ?パリで乗ったタクシーの中で、下手な英語で話しかけてきたドライバーは私が日本人だと知ると嬉しそうにそう言った。漫画で見たことがあるのだという。彼はまるで、魔法の食べ物にちて話しているような顔をしていた。面白おかしく生きるなと、父に言われて育ったというけれど、合気道で日本一になり、サブウェイでおむすびを売り、プロボクサーになり、おむすび屋で成功した岩井さんは、おもしろおかしく、無敵な人生を生きているように私の目には映った。今この瞬間にも、岩井さんのお米への愛情によって、あのドライバーのもとに結びたてのおむすびが届いているのかもしれない。どんなドラマを、一体誰が想像できただろう。とした。
