アメリカ主導の国際月探査プロジェクト「アルテミス計画」は、再来年には1972年のアポロ17号以来となる宇宙飛行士による月面着陸を目指している。今月、宇宙飛行士を乗せた宇宙船が54年ぶりに月へ向かい、裏側を回り込むように飛行して先週地球に帰還した。地球からの距離は40万6,771キロに達し、人類が地球から最も離れた距離を半世紀以上ぶりに更新した。アメリカでは月面開発に向けた動きが急ピッチで進められている。NASA(アメリカ航空宇宙局)は今月に月面基地の建設へ向け通信や電力の確保などの技術指針を公表し、民間企業を中心に研究開発が進んでいる。原子力電池は放射性物質が発する熱を利用して電気を供給し続けるため、数年間は電池交換の必要がないという。月面では2週間以上日が昇らず、太陽電池が利用できない場所もある。アメリカ政府が計画を急ぐ背景には、月の資源獲得をめぐる中国との熾烈な競争がある。中国は2030年の有人での月面着陸を目指している。CSIS航空宇宙安全保障プロジェクトのクレイトン・スウォープ氏は「アメリカは目先の競争ではなく、宇宙での持続的な活動に向けたイノベーションを実現すべきだ」と指摘し、「新しい技術を培い大きなビジョンを持ち続けることは、長期的にアメリカとパートナー諸国を利する」などと語った。
