日米金融政策から観る株高シナリオ。先週行われたFOMCについて阿部さんは2つのポイントが有るとし、1つは「タカの皮をかぶったハト」、2つ目は「サプライズ利上げのリスク」とコメントした。阿部さんは1つ目のタカの皮をかぶったハトとはウォーシュ議長のこととし、「ウォーシュ議長は2%を上回るインフレは容認しないと勇ましいことをいう一方で、利上げを避けようとする姿勢が見られました。民主党政権の時には金融引き締めを主張し、共和党政権の時には金融緩和を主張する政治的な人物であると経済学者のクルーグマン教授は指摘してきました。そのため、タカの皮をかぶったハトといえる」と語った。阿部さんはウォーシュ議長の市場の反応について「ウォーシュ議長が利上げを回避しようとしているとの見方から、インフレの上昇に対してFRBの対応が後手に回り金融市場にネガティブな影響を与えるビハインド・ザ・カーブザ懸念が生じ、アメリカ株、債券価格、ドルの価格が低下し、トリプル安となり市場にネガティブに受け取られた。」と答えた。ポイント2つ目の「サプライズ利上げのリスク」については「7月のFOMC開催前後に投票権を持つ12人の半分に当たる6人の参加者が利上げに前向きな態度を表明した。もし8月9月に発表される物価指標でインフレ率の低下が確認できなければ、トランプ大統領に配慮して中間選挙前の利上げを回避しようとするウォーシュ議長の意思に反する形でサプライズ利上げの可能性が出てきます。これはメインシナリオでは無いものの、その可能性を無視できなくなったと考えています。」と阿部さんは語った。一方日銀の動きについて、7月の金融政策決定会合での注目ポイントは「2026年の追加利上げの可能性を強く意識させるものだったと考えていますので、1つ目のポイントは高田審議委員が利上げを決めた次の決定会合であったにもかかわらず、利上げを提案したことです。2つ目は基調的なインフレ率2%超えのリスク。3つ目はビハインド・ザ・カーブ リスクへの警戒です。」と阿部さんはコメントした。こうしたポイントから阿部さんは次の日銀の利上げがいつ頃になるかに「9月も無視できないが、10月の短観をみて金融環境が緩和的、中長期のインフレ率が上昇しているといったことを確認して日銀の利上げ決定の根拠を確認したあとのほうが可能性が高いと思っている。」とコメントした。日米中銀の金融政策による株式市場への影響については「2024年と比較して、日銀のサプライズ利上げはありませんでしたし、FRBの政策金利も当時より低くなっているので、アメリカの景気後退懸念が強まる可能性は低いと見ています」と阿部さんは語った。以上を踏まえて今後の日本株の見通しについて阿部さんは「日銀、FRBが利上げをしてもサプライズの利上げを回避していれば、日米共に26年度内は政策金利は中立金利以下で大きな引き締め効果は発揮されない可能性は高いと考えています」と答えた。阿部さんは、「昨日の日系平均の大幅上昇は復調の兆しの1つと考えています」と語った。
