大阪で行われる春場所。注目の1人が、ウクライナ出身20歳で幕内に昇進した安青錦。ロシアによる軍事侵攻から日本に避難し、大阪で稽古を積んで角界に入門。スピード出世の陰には、国境を越えた絆があった。馬力のある相撲で、白星を積み重ねてきた安青錦。所要9場所、歴代1位に並ぶスピードで幕内に昇進。ウクライナで相撲を続け、将来は力士になると大きな夢を抱いていたが、ロシアによる軍事侵攻の激化で状況が一変。相撲を続けたいという一心で頼ったのが、大会で知り合った関西大相撲部・山中新大さん。避難先は山中さんの自宅。相撲部に練習生で受け入れてもらい稽古を続けた。親元を離れて暮らす中で日本語も学んだ。春場所が迫った先月末、相撲部を訪れた。迎えてくれたのは、指導者となった山中さん。山中さんを兄のように慕う安青錦。しこ名には、山中さんの新大の名前をもらった。本場所に向け、前に出る相撲に磨きをかける安青錦。支えてくれた日本の家族がいる大阪で、白星を挙げ、感謝を伝える。安青錦は「土俵で勝つことが恩返しになる」と語った。安青錦の兄や友人はウクライナに残っているという。安青錦は初日に美ノ海と対戦する。