米国・トランプ次期大統領が先月、国防長官への起用を発表したピートヘグセス氏は、保守系テレビ局・FOXニュースで番組司会者を務めてきた人物。元軍人だが、司令官の経験などはなく、異例の起用といわれ、女性への性的暴行の疑いで、警察の捜査を受けていたことが報じられ、身内の共和党内からも懸念の声が出ている。こうした中、米国の複数のメディアは、関係者の話として、トランプ次期大統領がヘグセス氏を交代させることを検討していると、相次いで報道。ヘグセス氏は「けさトランプ氏に“闘い続けろ”と言われた」と述べ、「今もトランプ氏の支持を得ている」として、指名を辞退しない考えを示した。トランプ次期政権の人事を巡っては、先月、司法長官候補だった前下院議員が、未成年の女性に金銭を支払って性的な関係を持った疑いなどが問題視され指名を辞退したばかり。米国・トランプ次期大統領は4日、通商製造業担当の大統領上級顧問に、対中強硬派・ピーターナバロ氏を起用すると発表した。ナバロ氏は、1期目のトランプ政権で通商政策担当の大統領補佐官を務めた。関税を柱とした通商政策の推進に向け、重要な役割を担うとしている。ナバロ氏は、2021年に起きたトランプ氏の支持者らによる連邦議会乱入事件を巡り、下院特別委員会での証言を拒んだとして議会侮辱罪で有罪判決を受け服役。ことし7月の共和党大会では、出所したその足で党大会に駆けつけてトランプ次期大統領を応援し、会場から喝采を浴びた。トランプ次期大統領はSNSで「私の1期目の政権で、米国製品を買い米国人を雇用するという、2つの神聖なルールを実行するにあたって、ナバロ氏ほど効果的かつ粘り強い働きをした人はいなかった」とたたえている。