アッパス議長は各国のパレスチナ国家承認に謝意を示すとともにパレスチナ暫定自治政府がガザ地区の統治と治安について全ての責任を負う準備があると述べた。パレスチナ暫定自治政府には問題が山積していて、暫定自治政府にパレスチナを統治できるのかという問いがある。現在パレスチナ暫定自治政府はガザ地区とヨルダン川西岸に分かれている。ガザ地区はハマスが実効支配、ヨルダン川西岸は一部を暫定自治政府が統治している。背景には、暫定自治政府は穏健派ファタハが主導しているが2006年に暫定自治政府議会にあたるパレスチナ自治評議会選挙でハマスが圧勝し躍進、2007年にハマスとファタハが武力闘争に発展しハマスがガザ地区を武力で実効支配に至り、パレスチナ人は2つの対立勢力に統治されている状況。自治政府では2006年以降選挙が行われていない。アッパス議長の正当性も疑問視され、2005年に議長選挙で4年任期で選出されてが2005年以上議長選挙も行われていない。またパレスチナ暫定自治政府は指導層が高齢化し汚職が蔓延しるほかイスラエルによるヨルダン川西岸への入植活動を止められていない実態がありパレスチナの人からも批判がでている。この状況をパレスチナ国家承認した各国はどう考えているのか。ハマスについて今年7月国際会議で武装解除とガザ地区支配の放棄を求める宣言が発表、同時にパレスチナ暫定自治政府については国家承認を行ったカナダなど一部の国がハマスが関与しない形で選挙実施などを要求している。それについてアッパス議長はビデオ演説で戦後のガザ地区統治からハマスを排除し停戦実現後1年以内に選挙実施の考えを明らかにした。パレスチナ国家承認をただのスローガンで終わらせないためにはイスラエルへの圧力とともにパレスチナ暫定自治政府の改革など求められる課題が多くある。