デンマークは農業国としても知られ、日本も主に豚肉やナチュラルチーズを輸入。先月来日したデンマークのフレデリック国王。東京都内で食料安全保障などに関する会合に出席したあと、一風堂に向かった。一風堂のチャーシューはデンマーク産の豚肉を使用。デンマークの豚肉にはかつて保護主義の荒波を乗り越えた歴史がある。デンマークが発祥と言われるベーコン。19世紀後半から小規模酪農家が協同組合を設立し、政府も支援に乗り出し品質向上や製品加工を一元化するなど効率化を図っていた。1929年に起きた世界恐慌。保護主義が高まりアメリカやイギリスなどがブロック経済と呼ばれる関税障壁を張り巡らせ、第二次世界大戦の一因になったとされている。デンマークはブロック経済から締め出されたが、協同組合が価格交渉や統一ブランド化し団結。高い関税下でも各国が欲しがる魅力的な製品を作り続けてきたことで、結果的に国を代表する輸出製品となった。貿易の歴史に関する著書などがあるバーンスタイン氏は、産業の成長に必要なのは政府の保護ではなく適切な支援と資金だという。